講座通訳担当・今井美樹
『音楽に遊ばれるのではなく、私達が音楽を遊ぼう!!』
ガオ先生から何度となく聞かれる言葉であり、受講者が最も目を輝かせる瞬間です。仙台講座では、この言葉発せられた時、私がその一瞬を見逃すことができないほど会場は興奮に包まれていました。
二胡は民族楽器の中でも、技術・音楽理解ともに要求される難易度が高く、途中でやめてしまう方も多いと聞きます。実際、留学まで叶えた私ですら、進歩の見えない日々にくじけ、他の楽器への転向を本気で考えた経験があります。(一瞬ですが・・・中国太鼓の奏者になろうかと思いました)
日々の練習ですらままならないのに、“遊ぶ”とはどうやって?!と思う方も多いのではないでしょうか?私がこの度通訳を担当してみてガオ先生の指導テクニックに感動したのは、“遊ぶ”発言を発するタイミングでした。
まず、課題曲を全員で一緒に弾き始め、最初の1小節を繰り返します。この瞬間に、曲は練習に変わります。そして、少しずつテクニックを増やしていきます。
*換弦(うち弦とそと弦を行ったり来たり)を美しく
*アクセント(体ごと楽器に力を預け、思い切り揺らしながら)をつける
*指の位置確認(中指をどの辺りに置くと正しい左手の形になるか?)
5〜10分、ガオ先生とともに音を出していると、最初緊張で固かった空気は和み、音色がどんどん変わってくるのを感じました。そのようなことを繰り返し30分、すっかり緊張がほぐれた頃、最初の金言がやってくるのです!
基礎練習も既存曲の中から創作し、奏法・音色・音程全てを自分で積極的に考えて音を出す。この癖がつけば、自ずと“やらされる音楽”ではなく“やる音楽”になっていく・・・つまりこれが遊んでいる瞬間なわけです。しかし、それを講座の最初から言われてしまうと、『それは、ガオ先生が天才だから!』とか、『小さい頃からやってらっしゃる方と、私達は違うのよね〜』などと思うでしょう。(私は思います!)
講座に参加された皆さんは実体験として、体と心がほぐれ、“練習が遊ぶ”に変わっていく瞬間を感じられたことと思います。この感覚を普段の練習に取り入れていただき、再び会うその日までどうか“音楽を遊んで”ください。楽しい時間はあっという間と感じました。是非、またお会いしましょう〜!再見!!!
追記/講座終了後のデモンストレーションミニライブ報告
【ゲスト出演 熊本比呂志(カホン)を迎え・・・】仙台入りは当日となり、リハーサル時間もない中、即興で素晴らしい打楽器を披露してくれた熊本くん!!やはり“遊ぶ音楽”を求めている音楽仲間に出会えたことに、ガオ先生も感動しっぱなしでした。そして、『江河水』を披露してくださった相田雅美先生。最初の音から。ホールを中国伝統音楽の世界にしてくださいました、おかげで二胡の魅力がより伝わったと思います。松本からスタートした今回のツアー。どこに行っても素晴らしいスタッフ、サポート奏者に恵まれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
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